首都圏や大阪圏で謙虚な新型コロナウイルス感染第2波は、全国的に拡大しつつある。
そんな中、16日、政府は22日から1兆3500億円の巨大プロジェクト Go To トラベル キャンペーンをスタートさせる。
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写真 2011年夏のアルプス旅行

政府は、第2波が第1波を超えた東京都の感染状況を考慮し、東京発着の旅行及び東京在住者は対象外とした。
キャンペーンは、簡単に言うと、旅行費用の半分を国が出してくれると言うもの。
観光業界は期待しているが、全国的に新型コロナウイルス感染第2波が拡大している中、感染拡大につながると不安の声もある。

全国レベルでどう見ても第2波、感染都道府県は31に
日毎の感染者数は第1波ピーク値の70%まで上昇

16日、速報値で第1波ピーク時の4月10日以来の622人の感染が全国で報告され、首都圏に限らず全国的に第2波感染中と言える。
全国の日毎感染者を5日移動平均で見たのが下のグラフ。
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第1波の収束(感染者数がピーク時の10%前後)が1ヶ月くらい続いた後の6月25日ころより、安定していた感染者が東京都に引っ張られる形で70%まで上昇。
上昇カーブも第1波とほぼ同じであり明らかに第2波と言える。
感染者の都道府県数も、第1波ピーク時の37都道府県より収束時に9都道府県迄下がったが、16日現在で31都道府県にまで拡大している。
Go Toキャンペーンが始まる前に、すでに拡大していることになる。
第1波ピーク時の37都道府県に並ぶのはGo Toキャンペーンの始まる22日前かも知れない。
入院必要者は、感染拡大が始まった6月25日の727人から2,885人と約4倍になっている。
ただ、重症患者数は、51人から37人に減ってきている。

首都圏および大阪府は?
東京都はすでに第1波超え、他も60%まで接近上昇中

日毎感染者を5日移動平均で見たのが下のグラフ。
東京都及び首都圏3県と大阪府の上昇カーブは3月~4月の第1波上昇時とほぼ同じである。
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第1波と今回異なるのはPCR検査数と陽性率。
第1波ピーク時8日間の1日当たりの平均PCR検査数は980件、平均陽性率は16.7%であったが、直近8日間では、それぞれ3,357件4.8%である。
この陽性率4.8%は厚労省データの全国陽性率とほぼ同じである。
東京都の感染者数が多いのはPCR検査数が増加したからだという意見もあるが、陽性率や近隣3県や大阪圏を見て見ればそうだとは言い切れない。
16日の記者会見で小池東京都知事は、「感染者数が出るのは3日前のPCR検査の結果であり、3日前は検査が4,000件を超えていたのが数値を押し上げた」というニュアンスの発言をしていた。
東京都HPで公開されているPCR検査数は、毎日、1週間ほど前迄さかのぼり件数が増加される(多分、FAX等アナログ集計をしているのであろう)ので解りずらいが、直近5日間の検査数は、
11日(土):2,413件、12日(日):706件、13日(月):4,712件、14日(火):3,912件、15日(水):4,057件であり、ここのところ4,000件を超えている。
17日も200人を超えると思われる。
又、首都圏の16日現在の第2波の感染者数の第1波ピーク時に対する割合は、
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東京都はすでに第1波を超えており、首都圏3県は60%以上と高く、埼玉県は第1波を超えるのは時間の問題と言える。
大阪府もここにきて急増しており、60%に近づいてきている。


【編集後記】
Go Toキャンペーンが始まる前に、すでに31都道府県迄拡大している。
第1波ピーク時の37都道府県に並ぶのも時間の問題と言える。Go Toキャンペーンが始まり、数週間後の感染都道府県数の変化はつかみづらいことにつながる。
Go Toは国が決めたが、決められた県は迷惑である。それは、感染拡大で外出自粛要請や休業要請等は県が決めなければならないが補償する金がない。今後、この矛盾が感染にどう関与するのか。
今後、首都圏を除く観光県の感染者数および県のコロナ対策をウオッチする必要がある。


最終編集 9:30