「量子イノベーションイニシアティブ協議会」(*1)が利用主体の量子コンピュータが国内で初稼働。
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2021年7月27日 11:08 日本経済新聞
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国内で初めて稼働したIBMの量子コンピューター(川崎市幸区)
東京大学と日本IBMは27日、国内で初めてとなる商用量子コンピューターの稼働を始めたと発表した。トヨタ自動車など大手12社が参加する産学の協議会が利用主体となり、素材開発や金融分野での導入に向けて研究に取り組む。次世代の高速計算機である量子コンピューターは将来の産業競争力を左右すると目され、日本企業は協調して早期の活用を探る。

稼働したのは川崎市の産業育成拠点「かわさき新産業創造センター」に設置した米IBM製の量子コンピューター。
汎用的な計算に利用できる「量子ゲート方式」と呼ばれるタイプで、同社にとって米国外への設置はドイツに次ぎ2例目となる。
IBMとの契約に基づき東大が使用権をもち、同大が2020年に設立した「量子イノベーションイニシアティブ協議会」が利用主体となる。
協議会にはトヨタをはじめ、みずほフィナンシャルグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、日立製作所、東芝、ソニーグループ、JSR、三菱ケミカルなど大手12社や慶応義塾大学が参加する。
量子コンピューターで計算を実行するには従来のコンピューターとは異なる専門知識が必要で、産学が連携して知見を集める。

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量子コンピューターの開発は世界で活発化している。19年に米グーグルが最先端のスーパーコンピューターで1万年かかる問題を約3分で解く成果をあげたと発表した。まだ開発途上で幅広い分野の計算には対応できないが、将来は画期的な素材や薬の創出などを実現すると期待を集める。3~5年後には一部で実用化するとの見方もあり、世界で早期導入に向けた研究が進む。

現在の量子コンピューターは極低温で電気抵抗をゼロにする「超電導」の回路を用いるのが主流だ。高度な技術が求められ、製造できる企業は世界でも一握りに限られる。
日本でも国産量子コンピューターの実現をめざして開発が進むが、米中に後れを取る。トヨタなど日本企業は最先端の技術をもつIBMの実機を利用し、将来の活用に道筋をつけたい考えだ。

量子コンピューターは量子力学と呼ぶ物理学の理論を応用した次世代の計算機。適用する分野によっては従来のコンピューターの1億倍超の高速計算が可能になる。IBMはグーグルと並んで世界の開発をリードしてきた実績をもち、日本には基本素子の「量子ビット」の数が27個の新鋭機を設置した。
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高速計算ができると言う量子コンピュータの仕組み、そもそも現在のコンピュータ(電子)の素子は1:02値の半導体であるのに量子って何からよく解らない。
物質を絶対零度のマイナス273.15℃迄下げて、電気抵抗を無くす超電導の技術を利用とのこと。
日本経済新聞の 分かる 教えたくなる 量子コンピューター を読んでもまだ解らない。
今回のニュースは素材開発や金融分野での量子コンピュータの利用であり、量子コンピュータのハードウエアについては、今年4月に理化学研究所が富士通と連携して量子コンピュータ研究センター」を設立して量子コンピュータの実現を目指す。
2025年にレビューするとしている。
量子技術でハード面、ソフト面両方で官民一体で技術立国日本を取り返してほしい。


(*1)QⅡ 量子イノベーションイニシアティブ協議会(2020年7月30日設立)
本協議会は、量子コンピューターの社会実装を世界に先駆けて実現するため、当該技術に関わる産学官の協力を促進し、相互の情報交換を密にすることをもって、我が国全体のレベルアップと実現の加速化を図ることを目的とします。
1.量子計算ソフトウェア・アプリケーションに関する情報交換
2.量子コンピューターに我が国のものづくり技術を適用し飛躍的性能向上を図るための量子ハードウェアに関する情報交換、及び次世代量子コンピューターの開発に結び付く基礎科学技術に関する情報交換
◇会長:佐藤 康博(株式会社みずほフィナンシャルグループ 取締役会長)
◇参加メンバー(設立時):学校法人慶應義塾、JSR(株)、DIC(株)、(株)東芝、
 トヨタ自動車(株)、日本アイ・ビー・エム(株)、(株)日立製作所、
 (株)みずほフィナンシャルグループ、三菱ケミカル(株)、
 (株)三菱UFJフィナンシャル・グループ(五十音順)
◇事務局:東京大学

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