市町村の9月決算議会が始まる前に、神奈川県は8月24日、2019(R01)年度の「一般廃棄物処理事業の概要」を公表。
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葉山町クリーンセンター
葉山町は、逗子市とのごみ処理広域化に基づく焼却炉解体が主の総事業費16億円の「葉山町クリーンセンターの再整備事業」に着手しており、今後、広域処理の効果を見ていくためにも、2市1町のごみ処理データのすり合わせは重要になってくる。

2市1町で人口当たりのごみ量が一番多いのは葉山町であることに変わりはない。

1人あたりのごみ量と焼却(可燃)ごみ量
葉山町、観光客・商店が多い鎌倉市より多いのはなぜか?
1人当たりのごみ量は、葉山町が4.5%増の361.5Kg/年で2市1町で一番多い。
鎌倉市は減少、逗子市は微増。
葉山町より観光客や商店が多い鎌倉市や、商店が多い逗子市より多いのはなぜか分析が必要である。
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グラフ1 1人当たりのごみ量と焼却ごみ量
1人当たりの焼却ごみ量は、葉山町が2.4%増の190.5Kg/年、鎌倉市、逗子市は減少。
総じて、大きな変化はない。

1t当たりのごみ処理費と焼却費
葉山町焼却費、2019年度より54%アップの8万5千円/t

1t当たりのごみ処理費は、葉山町は1.5%減少の6万6千円、鎌倉市も微増、逗子市は微減。これも2市1町で一番高い。
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グラフ2 1人当たりのごみ処理費と焼却ごみ焼却費
2019年度は葉山町の1t当たりの焼却費は54.5%アップの8万5千円と急騰、その理由は何か?
鎌倉市は3年連続の増加、逗子市はほぼ横ばい。
償却を逗子市へ依頼によるものだとすると、2018年度より上がってなければおかしい。
焼却ごみ量は2.4%増である(グラフ1)。
葉山町の焼却は、2018年度よりそれまで富士宮市の民間業者など民間委託であったのが全量逗子市へ焼却依頼へと変わっている。
輸送費が安くなる一方、逗子市へ共同処理負担金として、2018年度から年間7千万円から8千万円支払っている。
逗子市へ共同処理負担金は以下の通り。
             2018年 2019年 2020年 
共同処理負担金(万円)  6,987  7,744  7,834

依然、県データとつじつま合わない焼却ごみ量
2016年からの是正処置に間違いがあるのでは?

葉山町の焼却ごみ量は、県の「一般廃棄物処理の概要」のデータと町のデータの乖離が見られるままである。
2014年度~2017年度は約10%県データが多く、2016年度以降は少し是正されて約4%県データが多い。
県へのデータ提出時期と町のデータ開示時期が異なるため、多少の誤差はあってもいいが、誤差が少し大きいのではないか。
あたり前だが、ごみ総量は2014年以降、県データと町データはほぼ同じである。

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グラフ3 ごみ処理データ 一般廃棄物処理事業の概要と町データの乖離

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表1 県と葉山町の焼却量の乖離 
県(焼却量);収集ベース+中間処理残渣
   焼却ごみは収集時は可燃ごみとして分類し直接焼却とし、これに中間処理で他の
   ごみからでたごみ、例えば粗大ごみの木製の物等を加えて焼却量としている。
葉山(搬出ベース);収集ベース+中間処理残渣
   中間処理後の他のごみから出た燃えるを加えたものを搬出ベースしている。
   よって、県の焼却量に該当する。
グラフ3は、表1の県(直接焼却)と葉山(搬出ベース)の比較であるが、本来なら、県(焼却量)との比較である。
そうするとグラフ3の乖離はもっと大きくなる。
これは、2016年以降の是正方法が間違っていると思われる
2016年から県へ申告されている中間残渣による焼却量を町(搬出処分ベース)から差しい値が県の直接焼却でなければおかしい。
具体例として、2016年度の直接焼却量5,999t/年は、中間残渣による焼却量235t/年を町(搬出処分ベース)5,876t/年より引いた5,641t/年ではないか。以後、年度も同じことが言える。